マスターの日記風コラムです。活動記録、楽曲制作他その時思った事などいろいろ。

2004.1.26(月) 道具その2(楽器編)

前回、作編曲の道具を紹介したので、今回は演奏するための道具である楽器を紹介しようと思う。このHPを見ている人の中には当然トロンボーン吹きの人も多いと思うので、今回はトロンボーン奏者向けの少し専門的な話題。

楽器は演奏者にとって欠かせない道具であるが、プロのプレーヤーでもその楽器に対する考え方は様々で、ほとんど楽器には無頓着な人、1つの楽器をひたすら使い続ける人、頻繁に楽器( メーカー)を変える人、自分で楽器を改造してしまう人、自分で楽器を作っちゃう人(これはごく少数か)、と実に様々だ。と、僕はどういうタイプかというと、比較的楽器にはこだわる方で、今まで楽器を20本近く変えて来たし、楽器の改造も少しだけだが自分でやったりもした。数ヶ月ごとに楽器を変えていた時期もあったが、気に入った楽器は12年間ずっと使い続けていたりもする。100%自分の理想にかなう楽器にはなかなか巡り会えないもので、常にその理想の楽器を探し求めている感じだ。
自分の理想の楽器を探し求めた結果、ありとあらゆるメーカーの楽器を使って来たのだが、最近購入した楽器でようやく自分の理想に限りなく近い楽器に巡り会えたようだ。とにかく今まで使って来た楽器の中でずば抜けて素晴らしい楽器だ。あまりにも素晴らしいので、ここで紹介しようと思う。
上の写真がその理想の楽器で、モデルはヤマハのYSL-697Z。写真を見ればお分かりだと思うが、仕上げが通常とは違いサテンゴールドプレート(金メッキした後に表面を細かく傷を付けてつや消し処理をしたもの)にしてある。何故サテンゴールド仕上げにしたのかというと、この楽器を購入する前は普通のゴールドプレート仕上げの697Zを使っていたのだが、少し音色がブライト過ぎたため、もう少しソフトな落ち着いた音色に出来ないかと思い、今度の楽器はサテン処理を施してみた。サテン処理をすると楽器自体の響きがかなり変わるとは聞いていたが、実際サテン処理する前と後ではまるで楽器そのものが変わったかのように音色が変わった。もちろん良い方向に変わったのだが、とにかくとても細管とは思えない位(697Zはヤマハで1番ボアが小さい)太く豊かな倍音が響くようになって、音色も角の取れたとてもソフトでなんとも言えない味わいのある音色だ。表面処理だけでこれだけ劇的な音色変化が起きるとは正直驚いた(ちなみに今回のサテンGPの処理は銀座山野楽器でお願いした。もちろん697Z自体がとても素晴らしい楽器である事は言うまでもないが)。
何故サテン処理(マットフィニッシュとも言う)をすると音色変化が起こるのかについて科学的にはよくわからないらしいのだが、マウスピース工房のアリルリッヒの福島さんによれば、サテン処理を施すと金属自体が硬くしなやかになって金属の振動が変わり、音色変化が起きるらしい。傾向としてサテン処理をすると良い方向に向かう事の方が多いそうだ。実際、トランペットやサックスではサテン仕上げの楽器は最近流行っているようで、標準でサテン処理したモデルを出しているメーカーも多いし、使っているプレーヤーも増えて来ているようだ。しかしトロンボーンだけは何故かサテン仕上げの楽器はほとんど見た事もないし、使っているプレーヤーもまず聞いた事がない。この事もあり、サテン処理をする事にしばらく躊躇していたのだが、思いきってやってみてその結果には大満足である。僕の回りのトロンボーン奏者達もサテン処理の効果にはかなり驚いているようで、僕の周辺ではサテン処理がじわじわと流行りそうな感じだ。

今このサテンGPの697Zはレコーディングでバリバリ活躍している。この先ずっと長く使っていけそうな楽器だ。次回ライブでみんなにお披露目かな(見た目もとっても美しいよ!)。

2004.1.22(木) 道具

「もの」を作るという行為の中で、どんな分野においてもその「もの」を作り出すための道具というのは必ず必要なわけで、それが音楽を演奏する場合は楽器が道具になる訳だが、作曲やアレンジなどの作業においても当然道具は必要である。ひと昔前なら作編曲に必要な道具といえば、ピアノ、五線紙、エンピツ、消しゴム等で(絶対音感のある人ならピアノは必要ないかもしれないが)、実際僕も10年位前までは紙の五線紙(スコア)に音符を書いて、パート譜も自分で写譜ペンを使って清書していたのだが、最近はもうこれらの道具を使う事はほとんど無くなってしまった。今は作業の90%がコンピューターでの作業で、メモ程度に五線紙を使う位だ。上の画像は現在の作編曲作業の道具であるDigital Performer(俗称:デジパフォ)の画面。作編曲の際のメモ程度の打ち込みから、本チャンのオケ作り、レコーディング、ミックス、マスタリングまでとにかく作曲の最初の1音を作る段階から実際にマスターCDを作る直前まで全てこのデジパフォだけで完結させている。このデジパフォは、まだ画面が白黒でオーディオも扱えなかったバージョンからずっと使っていて、もうかれこれ10年になる。今ではこのデジパフォ無しでは生きていけない位(?)、僕にとって非常に大事な道具で、音楽制作でのパートナーのような存在だ。音楽を作る時の思考回路が完全にデジパフォとリンクしている感じ。実際にオケを作る時は、デジパフォにデータを打ち込んで外部音源を鳴らす訳だが、最近はその音源までもコンピューター内で鳴らす事が出来て、本当に便利になったものだ(いわゆるソフトシンセとかソフトサンプラー)。上の画像の左の方にある色の付いたウィンドウがそのソフトシンセの1部。右下の音の波形は僕自身がトロンボーンを多重録音した波形で、このように生楽器と打ち込みの音を1つのソフトで同時に扱えるというのは非常に便利だ。コンピューターベースでオケを作る事の最大の利点は作編曲の段階で限りなく完成品に近い音を確認出来るという事で、特に僕のようにピアノを弾く事があまり得意でない人にとっては、この恩恵は非常に大きい。
コンピューターで音楽を作るというと、何か機械的なイメージを持たれがちだが、むしろ極めて肉体的且つ直感的な感じで、まさに汗だくで音と格闘しながら音楽を作っている。
実際の作業的には、一通り打ち込みで作ったオケにベース、ギター、ホーンセクション、ヴォーカル等のパートを生楽器に差し換え(録音し)、ミックス(エフェクト処理、バランス調整等)、マスタリング(更に音質的に磨きをかける作業)をしてマスターCDに焼きつけて完成となる。10年位前までは、これらの作業はその道のプロの人がそれぞれ分業して行う作業だったのだが、最近は曲を作ったアーティスト自身が全てこの作業をやるという制作形態が主流になりつつあるようだ。100%アーティスト自身が自分の音に関しての責任を持つという意味においては、非常に良い流れだと思う。
もちろんこのデジパフォのような素晴らしい「道具」を使えば誰でも簡単に音楽が作れる訳ではなく、音楽的センスや技術の無い人が使えば、やはりそれなりの音楽しか作れないという事はいうまでもない。やはりそれ相当の勉強と労力が必要だ。
非常に便利で高機能なコンピューターとはいえ、所詮ただ単なる「道具」であり、要はその「道具」を使う人次第だと思う。
この事は楽器についても全く同じ事が言えるかな。

2004.1.17(土) 計画
今日、年間計画なるものを立ててみた。今年はスライディング・カフェを含めて5つのプロジェクトをすすめる事になったので、かなり細かく計画を立てて行動しないといけない。全プロジェクトの年間計画表と1ヶ月単位の短期計画表を作って、現時点で頭の中にある計画を一通り書き出してみた。実際にこうして書き出してみると行動の全体図のようなものが見えてくるのはもちろんだけど、不思議とやる気も湧いてくるから計画を立てる事の効果は非常に大きい。おそらく計画を実際に書き出す事によって自分自身の中でのビジョンがより明確になるのだろうなぁ。
と、その計画によると、CD発売記念ライブは6月中旬、5thライブは9月中旬、6thライブは12月中旬となり、その合間にクラシックのトロンボーン四重奏や他プロジェクトのライブ等が入る予定。
いよいよ2月下旬からレコーディングに入るのだが、それまではひたすらアレンジとリズムトラック作りの日々だ。

2004.1.13(火) 次回ライブ
年が明けてから次回ライブをいつ頃にやるかずっと考えていて、当初の予定では4〜5月頃を予定していたのだが、すでに4月、5月はスケジュールの合わないメンバーが出てしまい、次回ライブは6月下旬頃になりそうだ。前回ライブから半年以上空いてしまうので、3月下旬にやる事も考えたのだが、ちょうどレコーディングの時期と重なってしまうため、やはり次回ライブは6月下旬頃にやる事に決めた。無理をすれば3月下旬に出来なくもないのだが、CDとなると一生形として残ってしまうので、絶対にクオリティーに関しては妥協したくないところだ。しばらくの間はレコーディングに集中しようと思う。次回ライブを楽しみにしている方々、本当にゴメンナサイ。どうか6月まで待って下さいね。
きっと素晴らしいCDを作りますので。

2004.1.6(火) 日記からコラムに変更
ここ最近、ここに書く内容が日記というよりもコラム的なものになってきたので、メニューの名前を「DIARY」から「COLUMN」に変える事にした。日記というと、僕の中ではとにかく毎日その日あった出来事を書かないといけないような脅迫観念(?)のようなものがあったので、名前を「COLUMN」にする事の意味は大きいのだ。コラムなら気分的に楽に書けそうだし。と言っても書く頻度は今までと同じ位の間隔で書くので、ご安心を。まぁ、これからも自由な感じでいきますわ。

という訳で、2004年が明けボチボチ本格的にレコーディング用のオケ作りに入らないといけないのだが、今回のCDはバンドサウンドよりも打ち込み系サウンドの割合を多くする予定なので、そのアレンジ&打ち込みにかかる時間は相当なものになりそうだ。まず最初に取りかかる曲は「Mooonlight Serenade」からにしようかな。この曲はこの間のライブでもとっても評判良かったからね。と、正月に田舎の後輩に話たら、どうしてもグレンミラー楽団のあの有名なバージョンしか想像出来ないらしい。でも、これはまさに僕の狙いどうり。こういう古い曲(1930年代の曲)で、しかもあまりにも有名な演奏スタイルのイメージが固執されているような曲を全く違うアプローチでアレンジする。これが良いのだ。グレンミラー楽団の演奏はあまりにも有名だからね。この「Mooonlight Serenade」はライブではボサノバでやったが、レコーディングでは基本的にはボサノバ調を残しつつ、リズムはもっと今風な打ち込み系サウンドにするつもりだ。カッコイイよ。