マスターの日記風コラムです。活動記録、楽曲制作他その時思った事などいろいろ。

2004.3.25(木) 新ユニット
今日は13時から1ヶ月前に結成したばかりのクラシックのトロンボーン・カルテットのデモテープ用のレコーディングをやった。メンバーは僕とバストロの石井弦君の他に弦君の大学の後輩2人。さすが、みんな正当なクラシックを学んでいるだけあって音色、響き等素晴らしくデモテープ用としては十分なクオリティーのものが録音出来たと思う。初お披露目ライブを年内にやろうと思っていたのだが、メンバーのスケジュール、レパートリー等の問題もあり、ライブは来年になりそうだ。それまでは、最低月1回のペースで練習を積んで行こうと思う。最近クラシックのトロンボーン・アンサンブルの活動は非常に盛んで、譜面も本当に沢山出版されているけれど、この新ユニットでは出来るだけその様な売り譜はやらずに、オリジナル・アレンジまたはオリジナル曲を演奏するようにしようと思う。いかにして自分達のオリジナリティーを出すか、これが1番重要なところだ。
この新ユニットの名前をどうするかずっと考えていたのだけれど、みんなSliding Cafeという名前を気に入っているようだったので、これにClassicsを付けて、Sliding Cafe<Classics>というユニット名に決定した。カフェ・ミュージックを意識しつつ基本はクラシック音楽というコンセプトだ。なんだかスライディング・カフェ・ファミリーみたいになってきて面白そうだ。Sliding Cafeが本店なら、このSliding Cafe<Classics>は新たに出来た支店というところか。この<Classics>のメンバー等についても、いずれこのHPで紹介しようと思う。

2004.3.22(月) 道具その5(練習編)

道具シリーズのネタもいい加減出尽くしたと思いきや、もう1つ重要な道具を思い出した。その道具とは練習のパートナーであるメトロノームだ。なぁ〜んだメトロノームかと思われるかもしれないが、これが特に基礎練習においては非常に重要なのである。しかもデジタル式ではなく、昔ながらの振り子式のメトロノームであるところがミソなのだ。今となっては上の写真のような旧式のメトロノームはレトロな雰囲気さえ感じてしまうのだが、これはつい半年前に購入したもの。それまではずっとデジタル式の物を使っていたのだ。アンサンブルの練習の時も、特に難しい曲の練習の初期段階ではデジタル式メトロノームを鳴らして練習していたのだが、どうしてもメトロノームと合わずにずれてしまう事があり、これは自分達の実力が足りないせいだと思い込んでいた。ところが、ふと思うところあり振り子式のメトロノームに変えてみたら、デジタル式ではどうしてもずれてしまっていたのが、きちんとメトロノームと合うようになり、なにかメトロノームもアンサンブルの1部として加わったようにも感じた。デジタル式ではクリック音がただの点でしか感じられないのだが、振り子式のものだとテンポの自然な流れを感じる事が出来るように思う。この事はクリック音の心地良い音色や、実際に振り子がスウィングしているというせいもあると思うが、やはりなんと言ってもゼンマイ式のため、厳密には振り子式メトロノームはテンポが揺らいでいるので、そんなファジーなところが、人間の感覚に合いやすいのではないだろうか。デジタル式メトロノームの正確無比なテンポよりも、アナログな振り子式メトロノームの少し揺らいだテンポの方が心地よく感じるのだ。デジタル式メトロノームが主流となっている今、改めてゼンマイ式振り子メトロノームの良さを見直しているところで、僕の練習の良きパートナーだ。
メトロノームに限らず、デジタル機器というものはとても便利なもので、僕もそのデジタルの恩恵を受けている部分が相当あるのだけれど、最終的に人間の本当の感性に合致するものは、やはり昔ながらのアナログなものだと思う。特に音楽のような感性がとても重要な分野では安易にデジタルなものばかりに頼ってはいけない。

2004.3.12(金) 道具その4(トレーニング編)

道具シリーズも既にその4、今回はついに満を持してのトレーニング編。上の写真は呼吸器官トレーニング器具でイギリス製のウルトラブレス(右のTbのマウスピースは大きさ比較のために一緒に写しました)。実はこれを知ったのは東京都交響楽団のトロンボーン奏者古賀慎治氏のHPで、更に元の情報発信源は同楽団のチューバ奏者佐藤潔氏との事。本来このウルトラブレスはスポーツ選手向けに開発されたもので、運動前にウルトラブレスでトレーニングする事により、心肺機能を強化し運動能力の向上をはかるというもの。僕は去年の8月からこのウルトラブレスのトレーニングをほぼ毎日やっていて、半年以上経過した今その効果を十分に実感出来ているところだ。楽器を吹く上で1番効果があったと思える点は、特に意識しなくてもブレスを沢山とれるようになった事。あと、バテて来た時にあともうひと踏ん張りが効く感じで、耐久力の向上につながったように思う。使い方はシンプルでウルトラブレスを口にくわえ息を吸ったり吐いたりする。吸気と排気それぞれ抵抗が付くようになっていて、その抵抗をダイアルによって調整出来るようになっている。付属の取説では25呼吸、2.5分間を1回のトレーニングとし朝晩1回ずつトレーニングする事を推奨している。僕は朝はきつめの抵抗にして少し回数も多め、夜(寝る前)は軽めの抵抗で25呼吸やるようにしている。抵抗をいちいち変えるのも面倒なので、僕の場合はそれぞれ抵抗の違うものを2個用意して、特に寝る前はついうっかり忘れてしまうので、1個は常に枕元に置いてある。
このウルトラブレスを僕もいろいろな人に紹介していて、みんな一様にその効果を実感出来ているようだ。つい先日もある女性ヴォーカルのレコーディングの時に、その女性の声の調子が悪そうだったので、その場でウルトラブレスを約3分間トレーニングさせたところ、声に艶と伸びが出て来て、トレーニング前に録音したテイクと聴き比べると、本当に劇的な変化を確認出来た。これには本人も驚いたようで、その後ウルトラブレスで毎日トレーニングしているらしい。どうやら、肺の機能が弱い人程、その効果は大きいようだ。
ウルトラブレスはいろいろな業者が扱っていて、東急ハンズでも売っているようだが、その輸入販売元である有限会社タッドで購入するのが1番安いようで1個3,300円(他だと倍以上するところもある)。
とにかくこのウルトラブレスは管楽器プレーヤーには是非お薦めのトレーニング器具で、僕が指導している学生には強制的にトレーニングさせているのだ。だが、楽器の練習無しにウルトラブレスのトレーニングだけで楽器の技術まで向上するというものではないので、誤解のないように。あくまでも楽器を吹く上で最も重要な呼吸器官を強化するためのトレーニング器具という事だ。

つい3日前に、ウルトラブレスのような呼吸器官のトレーニング器具ではないのだが、やはり管楽器(特に金管か)プレーヤーにとってとても重要な器官を強化するのに効果がありそうなトレーニング器具を見つけて、今試しているところなのだ。しばらくトレーニングしてみて、何ヶ月後かに効果があると実感出来た場合はまたここで紹介しようと思う。

2004.3.1(月) 道具その3(マウスピース編)

道具シリーズその3は、マウスピースについて。演奏者にとって楽器はとても大事な道具で、その楽器との相性も重要になってくるが、それ以上にマウスピースは唇が直接触れる所だけに、相性というものが重要となってくる。唇の厚さ、形、息の入れ方など人それぞれみんな違うわけで、人によって相性の良いマウスピースも違って当然である。その人それぞれに合ったマウスピースの違いというのは、唇が直接触れるリムの厚さ・形状であったり、スロート、ボア、バックボアの大きさ、マウスピースの外形の形状等その組み合わせを上げれば本当にきりが無い。がしかし、現在一般に市販されているマウスピースは、カタログ等を見ると一見種類が豊富なようであるが、実はそれ程選択の余地は無く、ほとんどの人はその既製品のマウスピースに自分を合わせているのだ。そういう僕も数年前まではマウスピースについてはほとんど無頓着で、楽器に付いてきたマウスピースをそのまま使っていた。10年位1つのマウスピースをずっと使っていたが特に何の不自由も疑問も持っていなかった。ところが、ある日楽器店でアイルリッヒのマウスピースを薦められ試奏してみたところ、その口当たりの良さ、音色の良さにいっぺんに魅了されてしまった・・・もちろん即購入である。特にその音色の変化は衝撃的で、まるで楽器が良くなったかのような変化で、それまでの輪郭のぼやけた音色から、はっきりとした明るい音色になった。その後、数年その購入したアイルリッヒのマウスピースを使っていたが、更にもっと自分にフィットしたマウスピースが出来ないものかと思い、つい最近アリルリッヒで全くのオリジナルを製作してもらった。正確には現在製作中である。上の写真がそのマウスピースで、左からアルト用、細管テナー用、太管テナーバス用、バス用となる(製作中なので、メッキ無しの金属むき出し状態)。アルト、細管テナー、太管テナーバスは持ち替え時の違和感を無くすためリムを全て7Cサイズにし、カップの深さ、ボアサイズ等はそれぞれ設計してある。またバス用は、メインの楽器ではないので、出来るだけ楽に吹けるようにリムサイズを4Gにしてもらった。普通は4Gサイズといえば太管テナーバスで使うサイズなのだが、実際吹いてみると立派なバストロらしい音がするのである。この辺はカップ、ボア等の設計の妙ですな。4本とも最初に自分の希望をいろいろ出してから製作してもらい、2週間程試してみてまた調整するという予定になっているのだが、もう今の段階でバッチリで何も調整する必要は無さそうだ。これぞ、究極の自分の相性に100%合致した道具である。もちろん世界にただひとつの。

マウスピースの選択に悩んでいる方、是非アイルリッヒに相談される事をお薦めしますよ。きっと満足のいく結果が得られると思います。