トロンボーン ソロ(ジャズ系)
Vol.1

J.J'S BRAODWAY / J.J.JOHNSON
2003,VERVE(V6-8530) (1)Lovely (2)My Favorite Things (3)Mira (4)Make Someone Happy (5)Who Will Buy? (6)A Sleepin' Bee (7)Put On a Happy Face (8)Nobody's Heart (9)A Second Chance (10)The Sweetest Sounds

<Musicians>
J.J.Johnson(tb,arr),Urbie Green,Lou McGarity,Tommy Mitchell(tb),Paul Faulise(b-tb),Hank Jones(p),Chuck Israel,Richard Davis(b),Walter Perkins(ds)
J.J.ジョンソンの名盤として一般的に認識されているアルバムは、ほとんど50年代の録音のものが多いと思いますが、僕としてはこのアルバムをJ.Jのベストとして上げたいと思います。J.Jが39才の1963年の録音です。確かにJ.Jが20代の頃の演奏はアドリブ・フレーズの冴え、完璧にコントロールされた楽器テクニック等、トロンボーン奏者としての’凄さ’が光っており、J.Jのアドリブを研究するならば、50年代の録音ものが最適かと思います。実際、市販されているJ.Jのアドリブコピー譜も50年代の演奏がほとんどです。一方この'63年録音のアルバムは、タイトル名からわかるようにブロードウェイ・ミュージカルの名曲が収録されていて、J.J自身が数百曲にのぼる膨大なブロードウェイ・ミュージカルの曲の中から厳選し、全曲自身でアレンジを施している事からもこのアルバムに対する創造的意欲が伝わってきます。どの曲もとにかく素晴らしいメロディーの曲ばかりで、J.Jのプレイもそのメロディーをとても大切にした味わい深いプレイです。また10曲中6曲はバックに4トロンボーンが加わっていますが、そこに参加しているアービー・グリーンの素晴らしいリード・プレイは聴きものです。この'63年前後の他のアルバムでもそうですが、この時期のJ.Jのプレイにはテクニックだけではなく円熟味もあり、トータルな音楽性からみて最も優れていたように思います。是非この時期の他のアルバムも聴いてみて下さい。ちなみにこのアルバムはずっとCD化されていなかったのですが、最近やっとCD化され、今はかなり入手しやすいようです。最新のデジタル技術でリマスタリングされているので音質も良いです。

The Best Of New Broadway Show Hits / URBIE GREEN his Trombone and Rhythm
1996,BMG Entertainment Spain
(74321398732)
(1)Say Hello (2)Small World (3)Look Who's In Love (4)Love,Look Away (5)Lazy Moon (6)I Feel Sorry For The Gril (7)My Girl Is Just Enough Woman For Me (8)I Know Your Kind (9)You Are Beautiful (10)Just For Once (11)Love Will Find Out The Way (12)You'll Never Get Away From Me

<Musicians>
Urbie Green(tb),Nat Pierce(p),Barry Galbraith(gt),Milt Hinton(b),Don Lamond(ds)
上のJ.Jのアルバム同様このアービー・グリーンのアルバムもまたブローウェイ・ミュージカルの名曲ばかり収録されています。このアービー・グリーンのアルバムの方がJ.Jのよりも4年前の1959年の録音です。ひょっとしたらJ.Jはアービー・グリーンのこのアルバムに影響を受けたのかもしれないですね。上のJ.Jのアルバムにアービー・グリーンがバックの4トロンボーンのリードで参加しているといのも興味深いところです。アービー・グリーンといえば、スウィート系トロンボーンの代名詞のようなプレーヤーですが、その甘くスムースなメロディー・プレイは現在においてもこの人を越えるトロンボーン奏者はいないと思います。実はアービー・グリーンは僕が学生時代に最も影響を受けたトロンボーン奏者で、学生時代はとにかくアービー・グリーンのレコードをかけながら、ヴィブラートや微妙な歌い回し等を一生懸命真似して練習してました。このアルバムはそんな学生時代からずっと聴き込んでいる、僕の中でのアービー・グリーンのベストアルバムです。1996年にCD化され入手はしやすいと思います。

Someplace Else / Bill Watrous with Patric Williams and his Orchestra
1986,Soundwing(SW-2100) *LP SIDE-A:(1)La Fuerza (2)Come Rain Or Come Shine (3)Shenandoah (4)There Is No Greater Love
SIDE-B:(1)Suite Memories<I'm Getting Sentimental Over You〜Yesterdays> (2)Adieu Mon Petite Table (3)A Tribute To Debussy

<Musicians>Bill Watrous(tb),Patrick Williams(produce,cond,arr),Randy Kerber(key),Tim May(Gt),Neil Stubenhaus(b),Harvey Mason(ds),Stuart Canin(concertmaster),Mike Rubin(orchestra manager)
僕が学生時代にアービー・グリーンと同じ位影響を受けたトロンボーン奏者がこのビル・ワトラスです。ある一時期はビル・ワトラスが書いた教則本ばかり練習していた時もある位ですので、奏法の基本的な部分について言えば、この人の影響が最も大きいのかもしれません。とにかくビル・ワトラスのあの怪物的なテクニックをなんとか修得したいと必死で練習していたように思います。以前、自身のコンボで来日した時のライブを聴きに行ったのですが、ベルから1メートル位の至近距離で聴いていたにもかかわらず、ほとんど生音が聞き取れない程とても小さな音でした。あれだけの早いフレーズを吹くためには、やはりかなりボリュームを落とす必要があるのでしょう。この演奏スタイルについてはトロンボーン奏者の間でも評価が両極端に分かれるところですね。
このアルバムは1986年リリースですが、ビル・ワトラスのアルバムの中では最も異色な作品といえます。ビル・ワトラスの他のアルバムはスモール・グループまたはビッグ・バンドものがほとんどですが、このアルバムはフル・オーケストラをバックにビル・ワトラスがフィーチャーされています。映画音楽の作曲家パトリック・ウィリアムスのプロデュースという事もあり、壮大な映画音楽の世界となっています。ジャケットもなんとなくSFチックなイメージですね。月並みな表現ですが、このLPは擦り切れる程聴き込みました。LPとCD同時発売だったようですが、既に廃盤のため、入手はかなり困難かと思います。中古を探すしかないようです。